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人は「どんな顔」を覚えやすいのか― 顔認知研究からわかっていること ―

更新日:1月29日

みなさんは、初めて会った人の顔をすぐに覚えられるタイプでしょうか。

「顔の記憶力は女性のほうが高い」このような話を聞いたことがある方も多いかもしれません。

実際、顔認知に関する研究では、平均的には女性のほうが顔を正確に識別・記憶する傾向があるという報告が多く存在します。ただし、この差は個人差や状況によって大きく変動し、「性別だけ」で説明できるほど単純なものではありません。

近年の研究では、顔の記憶には性差だけでなく、次のような「経験に基づく偏り」が強く関与していることが分かっています。

顔を覚えやすくする3つの代表的な効果


① own-race effect(同人種効果)

人は、自分が属する人種の顔を、他の人種の顔よりも識別・記憶しやすい傾向があります。

これは能力の問題ではなく、日常的な接触頻度や視覚経験の量によって形成される知覚のチューニング(perceptual expertise)によるものと考えられています。


② own-age effect(同年代効果)

自分と近い年代の人の顔のほうが、他の年代よりも記憶しやすいという傾向も、複数の研究で確認されています。

これもまた、学校・職場・社会生活において接触する機会が多い年代に知覚が最適化されている結果と解釈されています。


③ own-sex effect(同性効果)

人は、自分と同じ性別の顔を、異なる性別の顔よりも覚えやすい場合があることも報告されています。

ただしこの効果は、文化・年齢・課題内容によって強さが変わり、すべての状況で一貫して現れるわけではありません。


これら3つに共通しているのは、「自分に近い」「日常的に多く接している」顔ほど、記憶に残りやすいという点です。

つまり、顔の記憶は才能やセンスというよりも、経験と環境に強く影響される認知プロセスなのです。


魅力的な顔は、覚えられやすいのか?


ではここで、多くの方が気になる疑問を考えてみましょう。


モデルや俳優のように、顔立ちが整っていて魅力的な人は、人種・年齢・性別が違っても覚えてもらいやすいのでしょうか?


直感的には「魅力的な人ほど印象に残りやすい」と思われがちですが、研究結果は一様ではありません。

実際には、


  • 魅力的な顔ほど、平均的な顔より記憶されにくい

  • 非常に魅力的、または非常に魅力が低い顔のほうが、中程度の魅力の顔より記憶されやすい


といった、相反する結果が複数報告されています。



なぜ結論が出ないのか


「顔の魅力」と「記憶」の関係については、長年にわたり多くの研究が行われてきました。

しかし現在のところ、一貫した明確な結論は出ていません。


その理由として、


  • 魅力の定義が主観的であること

  • 実験条件(写真/動画、静止/動的、文脈の有無)が異なること

  • 記憶課題の種類(再認・再生・即時・遅延)が異なること


などが挙げられます。


つまり、「魅力的だから覚えられる」「美人は得をする」といった単純な話ではないとうことが言えるでしょう。



非言語コミュニケーションの視点から


顔は確かに重要な情報源ですが、実際の対人場面では、


  • 表情の動き

  • 視線の使い方

  • 姿勢や身振り

  • 声のトーンやリズム


といった動的な非言語情報が、「その人らしさ」や「印象の記憶」に大きく関与します。

顔の造形そのものよりも、どのように動き、どのように関わるかが記憶に残る要因になることも少なくありません。


顔の記憶や印象形成に関する研究から分かるのは、私たちが人をどう認識し、どう記憶するかは、思っている以上に無意識で、経験と環境に左右されているという事実です。


そしてもう一つ重要なのは、こうした認知の仕組みは理解すれば再現性のあるスキルとして扱えるという点です。


国際ボディランゲージ協会では、顔認知・非言語行動・印象形成に関する心理学・認知科学・行動科学の研究知見を土台に、


  • 家庭や教育現場

  • ビジネスや組織内コミュニケーション

  • 接客・指導・マネジメント・支援職


といった実際の対人場面で使える形に落とし込む非言語コミュニケーション教育を行っています。


こんな方におすすめです

  • 非言語コミュニケーションを「学問として」理解したい

  • 印象や第一印象を感覚論ではなく説明できるようになりたい

  • ビジネス・教育・支援の現場で説得力を高めたい

  • 日本ではまだ数少ない、科学ベースのボディランゲージ専門家を目指したい

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