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人の感情を自分の顔で読み取る
目の見えない方と向き合う時に、私たちは自分の表情や態度に無頓着でも良いのでしょうか? じつは目が見えない方でも、自分の顔を使いながら他社の表情を無意識に感じ取れるということが、オランダのTilburg大学のMarco TamiettoとBeatrice de Gelderらを中心とする研究者たちによって示されました。 Tilburg大学で行われた研究とは次のような内容です。 まず脳に障害があるために片側の視覚野が破壊され現象的盲目となったある2人の患者(被験者)に対して、幸せそうな顔をした人と、怖い顔をした人の画像がランダムに混ざった画像を、それぞれ2秒間ずつ連続して表示させました。 そして、見えない側の瞳に示された人物の感情を、その被験者が感じ取れるかを調べるました。 このとき被験者の顔には特殊な電極が取り付けられ、感情表現に関わる小さな筋肉の普段は気づかないような微妙な収縮も測定されました。 被験者は、見えない側の瞳に提示されているにも関わらず、幸せそうな顔の写真を見せられたときには笑顔を作る際に使われる筋肉を、怖い顔をした写真を見せられたと


顔が見えない時代のコミュニケーションで気をつけたいこと
2019年12月初旬に中国の武漢市で第1例目の新型コロナウィルスの感染者が報告されてから、約1年と9ヶ月が経ちました。 マスクによって顔の半分が隠れる生活がこれだけ長期間にわたり続いたのは、人類の誕生以来はじめてのことです。 ボディランゲージの研修等を通して、参加者の皆様の意見を伺うと「マスクで顔が隠されていることで、コミュニケーションに細やかな配慮が失わつつあるのではないか?」と感じている人も多いようです。 たとえばコロナ以前であれば、街中で意図せず人にぶつかった際は、眉を上げたり視線を交わしながら「すみません」と軽く頭を下げつつ謝罪の言葉を伝える姿はよく見られました。しかしコロナ以降、誰もがマスクをつけはじめると、電車やエレベーターの入り口、コンビニのレジ前などで順番を譲らず、自分の都合を優先する人々がたしかに増えてきたような気がします。 これは、相手の顔全体が見えず、自分もまた相手からは顔の一部しか見られないことで、互いの存在が曖昧になってしまうからでしょう。 顔が見えているから相手にきちんと敬意を示す、見えていないなら配慮がなくても構わな