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Zen Presence(禅的プレゼンス)
昨年開催された第76回エミー賞において、ハリウッド制作のドラマ『SHOGUN 将軍』は作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞などを含む計18部門での受賞という歴史的快挙を達成しました。さらに、2025年の第82回ゴールデン・グローブ賞でも、テレビドラマ部門の作品賞をはじめ、主要な男女主演賞・助演賞をすべて制覇しました。 その中心に立ったのが、主演・プロデューサーを務めた真田広之さんです。彼が演じた“静かなる将軍”の姿は、声を荒げず、最小限の動きで最大の存在感を放っており、非言語の影響力を体現していたように見えます。 『SHOGUN 将軍』において真田さんが演じたのは、「吉井虎永」という架空の武将ですが、その人物像は徳川家康をモデルとしています。虎永は感情をあらわにすることもなく、静かな佇まいと所作の美しさによって周囲を従わせていきます。視線、沈黙、一歩の歩み。無駄を削ぎ落とした所作には、まさに「禅の身体観」が息づき、世界中の視聴者に深く響きました。 日本文化において「間」は、ただの沈黙や時間の空白ではありません。それは、相手に思考の余地を与える


所作が変える印象
皆さま、こんにちは。国際ボディランゲージ協会代表理事の安積陽子です。 「控えめなのに、なぜか気になる」──そんな人に出会ったことはありませんか? 動きが静かで、声も強くはない。けれど、その人の言葉はなぜか耳に残り、立ち姿には芯の強さが感じられる。そうした控えめな存在感を持つ人には、ある共通点があります。それは、動きや姿勢に 無駄が少ない ことです。 私たちは、日々何気なく体を使っています。立つ、歩く、座る、物を手渡す、話す──その一つひとつに、実はその人の人柄や価値観、感情の向きがにじみ出ています。 たとえば、資料を片手で無造作に渡すのと、両手で静かに差し出すのとでは、受け取る側の印象はまるで異なります。また、椅子に深く沈んでだらりと座る人と、背筋を自然に保って座っている人とでは、同じ言葉を語っていても、相手に与える安心感や敬意の生まれ方が変わってきます。 日本には、音のない表現に価値を置く文化が数多くあります。茶道、華道、剣道、能楽──いずれも、目立つ振る舞いや演出ではなく、動きのひとつひとつに込められた意図や心配りに重きが置かれます。.







