親の話し方が影響を与える?子どもの感性を豊かに伸ばす親の話し方

みなさん、こんにちは。国際ボディランゲージ協会の安積です。

今回はブリティッシュ・ジャーナルに掲載されていたHarriet Tenenbaum博士の親子のコミュニケーションに関する記事をご紹介します。

Harriet Tenenbaum博士は、家庭に4歳〜6歳の子供がいる親たちを集め、子供との会話の様子をビデオに撮影しながら特徴を調べました。


その結果、親子の会話には次のような著しい特徴が見られたそうです。



・母親は父親に比べてより頻繁に「悲しい」「嬉しい」「怒った」「恐れている」「気がかり」「愛している」といった感情用語を子供に対して使う傾向にある。

・母親は「悲しい」「嬉しい」「怒った」「恐れている」「気がかり」「愛している」といった感情用語を息子よりも娘に対して頻繁に使う傾向がある。

・父親は娘に対して息子以上に「悲しい」「嬉しい」「怒った」「恐れている」「気がかり」「愛している」といった感情用語を頻繁に使う傾向がある。




なぜ母親も父親も、娘に対しては息子よりも感情を含む用語を多く使うのでしょうか?


これはおそらく「女の子には感情で伝えた方が理解しやすい」という思い込みが親側にあるからではないかと考えられます。




成人の男性と女性の非言語コミュニケーション能力を比べると、表情やしぐさから人の感情を理解する能力は女性の方が男性よりも上です。しかし同じ研究者が行った別の実験では、4歳児の女の子と男の子の間では、人の感情を察知する能力にほとんど性差がないということがわかっています。ですからたとえ無意識であっても、子どものジェンダーによって親が話し方を変えてしまうと、男の子が本来もっているはずの感情に対する能力(EQ)の芽を摘んでしまう恐れがあると博士は指摘しています。





今回行われた親子の会話に関する実験は、アメリカ人とスパニッシュ系の親子が対象となっていますが、日本の親子の会話も同じような傾向があるのではないかと私は感じています。

たとえばある男の子がいつまでも泣いたりしていると「男の子なんだから(泣くんじゃないの!)」などと親が言っているのを聞いたことがありませんか?男の子に対しては、自然と女の子以上に感情を律してしまう親も多いのではないでしょうか。しかしこれは、子どものEQ(心の知性)の発達を阻む行為なのです。

なぜなら、 他者の感情をしっかりと理解できる大人に成長させるためには、子ども自身がまず数多くの感情を経験し、表現できるようになる必要があるからです。


子どもの感性を豊かに伸ばしたいならば、「女の子の方が感情をよりよく理解できる」「男にはあまり感情を出すべきではない」というステレオタイプな考えを忘れて、平等に感情表現を盛り込んだ会話を心がけることが大切です。




いま日本の子ども達にいちばん必要とされているのがコミュニケーション能力。 幼い頃から非言語能力の高い子供達は、大人になってからもさまざまなタイプの人間とうまく付き合うことができるようになります。

楽しい学校生活を送るための人間関係を形成していく能力はもちろん、これからの国際社会を生きていくための基本的なコミュニケーションスキルを早くから習得しておくことが肝要です。 大人が実用的なボディランゲージの技術を身につけて、ご家庭や教育の現場で子どもへのコミュニケーションを豊かにしていきたいものですね。






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