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オリンピックで見られる世界共通のボディランゲージ

世界中から数多くの選手らが集まるオリンピックは、文化や人種を超えたボディランゲージの類似点や相違点を発見するのにもっとも適したイベントです。


そこで今回は、本日いよいよ開幕する東京オリンピックに向けて、オリンピック関連のボディランゲージについてお伝えしたいと思います。





カリフォルニア大学の心理学教授デイヴィッド・マツモト氏は、オリンピックの柔道コーチとしての過去の経験から、オリンピック選手の感情表現についての研究を行いました。



この研究は、2004年にギリシャのアテネで開催されたパラリンピック競技大会と、2004年夏季オリンピック競技大会に参加した先天性視覚障害者と視覚障害者の柔道選手を対象におこなれました。


デイヴィッド・マツモト氏は、試合が終わった直後に撮影した23カ国の選手の画像を含む4,800枚以上の動画や写真を分析した結果、オリンピック選手が金メダルを獲得したときには、必ずといっていいほど「勝利」という同じ感情を共通のボディランゲージで表すことがわかりました。


その共通点とは次のようなものです。


たとえば優勝した選手のほとんどは、「デュシェンヌ・スマイル」と呼ばれる、唇の角を引き上げる笑顔の筋肉だけでなく、頬を持ち上げ、まぶたを狭くし、カラスの足跡のようなシワを作る目の周りの筋肉も使っている笑顔を浮かべていることに気づきました。


また勝利の瞬間、顔を上にあげ、両手を高く上に伸ばし、胸を張るという共通のボディランゲージが見られました。


一方で敗者した選手たちの間には、頭を下げ、顔を手で覆ったり、肩を落としたり姿勢を崩すというボディランゲージが共通点として見られました。



生まれつき目の見えない先天性視覚障害者の選手や、非先天性視覚障害者の選手、そして健常者のアスリートも、同じシチュエーションでは同じ表情を見せていたのです。このことから、デイヴィッド・マツモト氏は、誇りや恥という感情は、文化的に学習されたものではなく、生得的なものである可能性を示唆しています。






興味深いことに、人間以外の霊長類や他の動物にも誇りや恥という感情のボディランゲージが見られます。これは、人間と動物との間に見られる進化的・生物学的な深いつながりを示唆しているのではないでしょうか?


前例のないコロナ禍でのオリンピックの開催式が本日開催されます。


万国共通のボディランゲージに興味のある方は、ぜひ選手たちのボディランゲージにもご注目くださいね。



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