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マスクが子供たちの顔認識に及ぼす影響

コロナ禍によるパンデミックは、子供たちの学習、感情、人間関係に大きな影響を与えました。感染拡大の抑制策としてマスク着用が重視され、その影響はいまだ収束せず、子供たちも例外ではありません。

そこで今回はマスク生活が子どもの顔の認識能力に与えた影響について調べた研究を1つご紹介しましょう。

リバプール・ホープ大学では、イギリス北西部の4〜8歳の子供74人を対象に、マスク着用時と非着用時の言語処理能力と感情認識能力を評価しました。マスクで顔の60%から70%を覆い、非単語(非実在の単語)を子供たちに聞かせてから、その単語を繰り返せるかを測定するテストと、幸福、怒り、悲しみの表情を見せて、それがどの感情かを当てる二種類のテストを行いました。






この研究結果から明らかになったのは、言語処理にはマスクがあまり影響しないということです。言語理解には音声信号以外にも視覚的手がかりが重要であり、マスクを着用していてもそれほど制約がないという結果が出ました。


ただし、感情認識については異なる結果が得られました。感情認識においては、怒りの表情はマスク着用時でもより正確に認識される傾向がありましたが、幸福や悲しみの表情は難しくなりました。(年齢が上がるほど、マスク着用時の感情認識能力が向上する傾向もみられました)


幸福の表情は社会的な交流において重要であり、悲しみの表情を正しく認識することは適切な人間関係の構築に不可欠です。マスクをつけるとこれらの感情を認識するのが難しくなるというのは、子供のコミュニケーション能力に大きな影響を与えることでしょう。


総じて、子供たちは大人に比べてマスクの影響をより受けやすいことが示唆されます。教育者や周囲の大人たちは、マスクを着用した状態でも効果的にコミュニケーションをとる方法を、今後も模索しつづけていくことが重要でしょう。




論文名:The Effects of Face Masks on Young Children's Language Processing and Emotion Recognition

著者:Lorna Bourke, Jamie Lingwood, Tom Gallagher-Mitchell, Belén López-Pérez

出版年:2023

DOI:10.1016/j.jecp.2022.105580




 


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