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認知症になると表情が変わる?

認知症は、高齢者の健康に関わる深刻な問題の一つであり、その影響は認識、記憶だけでなく、感情やコミュニケーションにも及びます。近年の研究からは、認知症と表情の関係について新たな洞察がもたらされています。


そこで本日は、認知症と表情の関連性に焦点を当て、いくつかの興味深い研究結果をご紹介します。


認知症の表情


表情の多様性と認知症進行

アルツハイマー病や他の認知症の患者さんの表情がどのように変化するかを調べる研究が行われました。その結果、病気の進行とともに感情の表現が制限されることが示唆されています。一般的には、笑顔や他の感情表現が減少し、無表情や無関心な表情が増える傾向があります(Kessler et al., 2005)。


感情認識の難しさ

認知症患者さんは、他人の表情を正しく理解することに困難を抱えることが報告されています。特に、複雑な感情表現(怒り、喜びなど)を認識するのが難しくなることが示されています。これは、認知症によって脳内の情報処理が影響を受けるためと考えられています(Henry et al., 2008)。


非言語コミュニケーションの変化

認知症は、非言語的なコミュニケーションにも影響を及ぼすことが報告されています。病気が進行するにつれて、ジェスチャーや視線などの非言語的コミュニケーションが減少し、コミュニケーションの困難さが増すことが示されています(Bucks et al., 2006)。


④ 表情変化の評価の難しさ:

認知症患者の表情変化を客観的に評価することは、医療専門家や家族にとっても課題となっています。病気の進行により、表情の変化がわかりにくくなることがあります。このため、正確な評価方法の開発が試みられていますが、依然として課題が残る状況です(Savaskan et al., 2007)。



本日ご紹介した①〜④の研究結果は、認知症の進行が感情表現やコミュニケーションに影響を及ぼす可能性がある一方で、個々の患者によるばらつきがあるため、認知症と表情の関係が複雑であることも示唆しています。


今後の研究が、この関係性をさらに詳しく解明し、認知症患者さんのケアやサポートの向上に寄与することが期待されるでしょう。



参考文献:

Kessler EM, et al. (2005). Changes in emotional facial expressions in "probable Alzheimer's disease" as measured by the Emotion-Focused Scale. Aging & Mental Health, 9(2), 146-152.

Henry JD, et al. (2008). A meta-analytic review of age differences in theory of mind. Psychology and Aging, 23(1), 84-94.

Bucks RS, et al. (2006). Emotion processing in Alzheimer's disease. Neuropsychologia, 44(6), 930-936.

Savaskan E, et al. (2007). Evaluation of the Emotional Facial Expression in Dementia. European Neurology, 58(2), 77-82.

この文章をご自身のブログに掲載していただき、認知症と表情の関係についての知識を広める一助としていただければ幸いです。

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