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医療現場におけるボディランゲージの重要性

ミシガン大学医学部のマイケル・フェッターズ博士は、医師が一般的な健康診断を行う様子を撮影して、医師と患者がお互いをどのように見ているかを研究しました。


研究の結果、たとえ簡単な健康診断であっても、多くの医師は患者の表情や態度に気を配りながらコミュニケーションをとっていることがわかりました。


患者のボディランゲージを手がかりに医師が推察するのは、次のような点です。薬物依存症やアルコール依存症、うつ病等の可能性、虐待の兆候はないか。特定の質問に対して答えるのを避けていないか。このような点についても、医師は患者の表情や態度を参考にします。


また、どのような様子で症状を話をしたかによっても、治療方針に違いが生じることも明らかになりました。


一方で、ボディランゲージをチェックしているのは医師だけではないこともわかりました。患者もまた医師の行動、態度、その他の外見を微妙なシグナルを手掛かりに、その医師が信頼できるかどうかを推し量っていました。


診察室に入ってからわずか1〜2分もの間に、患者は担当医師の表情や視線、口調、体の動かし方などを即座に観察して、その医師に対する印象形成を行います。話を聞いている際に視線が合っていたかどうか、身体や足先をきちんと自分の方へと向けてくれていたかどうか、話をしていて居心地よくいられたかどうか、時計を見て急かす様子を見せなかったか。このようなポイントも、医師に対する信頼構築に大きな影響を与える要素であることがわかりました。

何か問題が起きた際に、他の医療機関へ移るべきかを決める際にも、対応した医師のボディランゲージは、大きな決定要因の一つとなっていたといいます。


この研究の主任研究者であるミシガン大学医学部のマイケル・フェッターズ博士は「今回の研究結果は、患者と医師の関係について行われた他の研究でも同様の結果がでている」と述べています。





ビジネスの現場でも教育の現場でも、ボディランゲージはコミュニケーションの中で重要な位置を占めます。医療の現場でもやはり「何を伝えるか」だけではなく「どのようなボディランゲージを用いて伝えるか」ということが非常に重要となるのです。


医療の現場というのは、医療スタッフにとっても患者やその家族にとってもストレスがかかりやすい環境です。小さなコミュニケーションミスが大きなトラブルへの引き金にならないためにも、今後も世界各地の医療現場から、医師と患者のやりとりを改善するために役立つ多角的なデータが蓄積されていくことを願っています。





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